アインシュタイン風のおじさんとナチスとAmazonダッシュボタン
こんにちは。
代表取締役の羅です。
お久しぶりのブログです。
今日はブダペスト行きの電車で出会った方のお話からはじめて、未来のお話まで行き着きたいと思います。
前に中欧を旅行していた時のお話です。
ウィーンからブダペストへの列車に乗っていた時、隣の席のアメリカからきたアインシュタイン風のおじさんと話す機会がありまして、、
彼の職業は何をしているんだと聞くと、googleに特許を売っているというのです。
え、どゆこと?ってなると思うんですけども、
詳しく聞いてみると、
スマホのキーボードの開発をしている、と。
曰く、スマホのキーボードは何文字打ってもアルファベット26文字が表示されたままだが、
そんな必要はない、と。
え、でもスマホの入力方法で代替手段としてあり得るのってフリック入力くらいじゃないですか?
確かに、あの狭い画面で26文字もあるアルファベットをタイプするのは、とても打ちづらいと思っていたけど、そこを変える手段があるとは思ってもみませんでした。
彼がいうには、
二文字打てば使われる文字は大体限られてくるので、それだけ全画面で予測変換を出せばいい、とのこと。
例えば、quと打ったら、多分その人はquickかquoteかquestionって打つと相場が決まっているわけで、
quzとかqubとかって打つ可能性は限りなく低い。
ならば、キーボード表示部を全画面予測変換にして、それが打った文字によってリアルタイムで変わるようにすれば良い。
上の方にquestionとかquickとか単語を並べ、下の方に行くとだんだん文字数が少なくなるように(queとかquiとか単語の一部だけ表示する)するのだと。
そうすれば、今26文字(あと5000万人もとい4つくらいの予測変換)から選んでいたのが、
5-8個くらいの予測変換だけから選べばよくなり、一つ一つの選択肢のスペースが広がって、快適にタイプできるようになるのでは?
とのお話でした。
とても面白いなと思ったのと同時に、選択肢を減らしてストレスを減らすという発想で同じだなと思いついたのがアマゾンとナチスのお話です。
どういうことかと言いますと、
エーリッヒ・フロムという人が書いた本に「自由からの逃走」という本があります。
彼はなぜナチスが生まれたか、という疑問からスタートしています。
ナチスが生まれる前のドイツは世界で一番先進的な憲法もできて、国民は自由を謳歌していました。
もちろんハイパーインフレで経済的には苦境に陥っていましたが、政治的な自由は確かにありました。
でもフロムは、自由こそがナチスを生み出したのだと言うのです。
選ぶこと、選ぶ自由があることというのは本質的に人間にとってはストレスで、そこから楽になろうとして権威への依存を強める。
こういったメカニズムから、近代に生まれた自由からみんな不安になって逃走したがってファシズムに依存したというのが彼の洞察なのです。
逆説的ですが、ナチスは個人の選択の自由から生まれるのです。
ここでも、
選べるということは人間にとってストレスであり、できれば避けたいこと
だと言うことです。
同じことはテレビにも言えて、
Youtubeがこれだけ栄えて、クラシルやデリッシュキッチンなど動画系の会社がノリにのっている中、テレビはビクともしませんよね。
(だからAbema TVはいいアイデアだなと思っているのですが)
いくら主体的メディアが出てきても、受動的メディアに対するニーズは無くならないわけです。
AmazonがAmazonダッシュボタンを出した理由もきっと同じで、
なんでも選べるAmazon=Youtubeだとすると、Amazonダッシュボタン=テレビだという位置づけになるわけです。
積極的購買行動をできる場所としてAmazonは展開してきましたが、今までCMによる認知獲得や実店舗での販売が担っていた受動的購買行動にもAmazonダッシュボタンで参入しようとしている、と言えるわけです。
我々がエレベーターの中で実現したいのは、まさにそういった受動的購買行動です。
指紋認証して、最適化された三つの選択肢の中から一つを選ぶ、合計二回ボタンを押すだけで必要なものが届く。
欲しいものはAmazonで買えばいい。
でも必要なものって、例えば熱が出た時の水分補給用のポカリスエットとか、男子大学生のティッシュとか洗剤とか、
深夜遅くのラーメンの出前とか、飲み会している時に足りなくなったビールとか、それくらいなんです。
それを2タップで買えるようになれば、どれだけフラットな世界になるか。
まずは、粋なCMを流す仕組みを作って、広告から日常を変えます。
次に、脳を使わなくていい買い物ができるように、エレベーター、トイレ、屋外看板に2タップ購買ディスプレイを据え付けます。
タブレットを使うので、実際は表示しているアプリの機能を追加するだけなんですけどね。
いわば、リアルの世界でgoogleとamazonが果たしている役割を全部担うわけです。
2004年にgoogleとamazonが合併してgooglezonという会社ができて、という予言動画がありました。
この動画自体は、ニュースメディアに焦点を当てていて、一つのディストピアとして描いているので、少し違うと言えば違うのですが、
株式会社東京がやるのは、いわばリアルの世界で「粋なGooglezon」を作ることなのです。 Googlezonの動画 ↓