東京
こんばんは。
連続になります。
新谷です。
デザインは人の心を動かすものであると昨日述べましたが、別の側面もあります。
デザインとは、ものづくりやコミュニケーションを通して自分たちの生きる世界をいきいきと認識することであり、優れた認識や発見は、生きて生活を営む人間としての喜びや誇りをもたらしてくれるはずだ。※1
と述べたのは原研哉さんです。
そして著者は「リ・デザイン――日常の二一世紀」展に始まる展覧会や無印良品のボードメンバー、数々のグラフィックや広告、プロダクト、パーケージ、ブランディングのデザインを通して、日常をじっと見つめ、生活の質に対して数々のアプローチをされています。
ここで重要なのは、モノの形状・見た目を提案するだけでなく、その上で人々の日常を生活を世の中をよく見つめることこそがデザインであるとしたことにあります。
そこから新たな価値が喜びが生まれてくるはずだと述べています。
デザインを学んでいた私はこの文章を読んだ瞬間、これだ!、と思い、共鳴しました。
少し驕った表現かもしれませんが本当に、ミナモのように、この言の葉の波が僕の心で響き揺らぎました。
そして原研哉さんは以下のようにも述べています。
創造的なものごとの端緒は社会全体が見つめているその視線の先ではなくて、むしろ社会を背後から見通すような視線の延長に発見できるのではないか。先に未来はあるが、背後にも膨大な歴史が創造の資源として蓄積されている。両者を還流する発想のダイナミズムをクリエイティブと呼ぶのだろう。※1
私たちは会社の名を決める上で、新しくも時間の重みがある、そのような言葉を探していました。
”東京”という言葉には、東京という都市が希求する未来、生み出すクリエイティビティ、人々が積み重ねてきた歴史、粋に生きる人々の”街”、といったイメージを喚起する力があります。
そして人々の今が生活が日々があります。
”東京”は”新しさ”と”時間の重さ”、まさしく二刀を両手に構えた言の遣いだと考えます。
そして過去から現在、そして未来へと貫通して世を見つめること。
これが私のデザイン観です。
※1 「デザインのデザイン」 原研哉