広告業界人の世界認識①
こんにちは。代表取締役社長の羅です。
哲学的な話になってしまうのですが、僕は世の中実は「本質的なもの」ってそう多くないと捉えてていて、その一つが「言葉」だと考えています。
「言葉」は一つ大きなアイデンティティの拠り所です。
数式(最も客観的な「言葉」)の発明によって人類はこの世界を深く理解することができました。
さらに、
20世紀ヨーロッパで起こった思想上の大きな革命の一つに「言語論的転回」というものがあります。
これは言葉というのは現実に対応したラベルではなく、現実を認識するためのナイフであるという思考の転換です。
わけがわかりませんね。例をあげてみましょう。
従来「りんご」という言葉は、赤くて手のひらサイズの果実の名前だとしか考えられてきませんでした。先に現実があって、それにペタッと「りんご」というラベルを貼るイメージです。
でも、ウィトゲンシュタインという偉い人は考えました。
実は「りんご」という言葉がないと、人間は"赤くて手のひらサイズの果実"を認識できないのではないか?
実は言葉というのは、混沌とした世界から何かを切り取って認識可能にしてくれるナイフなのではないか、と。
実際、日本では虹は七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)だけれど、ロシアでは四色(橙、黄、緑、青)で、沖縄では伝統的に赤・黒二色と言われていたりするそうです。
つまりある業界の人たちが使う言葉を見れば、その業界の人たちは世界をどう認識していて、何を重要視しているかがわかるのです。
広告界にはいろいろな魑魅魍魎が跋扈しているように見えますし、特にカタカナ語とアルファベット3文字の言葉が多いです。なので今回は広告業界で使われる「言葉」を世界一わかりやすく(※当社比)解説したいと思います。これであなたも広告博士?
リーチ
あなたの出した広告を一度でも見てくれた人がどれだけいるかということ。広告の到達範囲。
インターネット広告の場合は、特に全インターネット利用者数に占めるバナー広告の表示された人数の割合をいう。電車の広告の場合は、アンケートで「(広告を)確かに見た」と答えた人の割合。
人間、「知らないものは買わない」のでリーチが多いことは重要だが、すぐに売り上げにつながるわけではないので、リーチを主眼に置いた広告を出す場合はコストパフォーマンスを常に気にする必要がある。
フリークエンシー
ある期間中に一人の人が何回その広告を見たか。
「単純接触効果」といって、これが多ければ多いほど一般には効果が強いとされる。
でも媒体会社や広告代理店が「見た」と言っていても、
「新聞の下1/3」とか「ポータルサイトの一番上にある横長の部分と、右上の四角」
「街を歩いていて、あまりにも浮いているところ」
「タレントがロゴを見せるように商品を持っている写真」
とかは人間は自動で見ないようにしているので、本当のところはどうかわかりません。
あと、不快なものやその時の気分に合っていない広告って見れば見るほど逆効果なので、そこも留意しておかないといけません。
参考にさせていただいたサイト
「ほんのちょっと未来の広告を考えてみる」
http://www.startrise.jp/columnists/view/2069